この記事は日経ビジネス電子版に『川崎重工が年功制を廃止 狙いは若手抜擢ばかりにあらず』(8月10日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月16日号に掲載するものです。

川崎重工業が7月、年功的な要素の排除に重点を置いた人事制度を全社的に導入した。年功制の見直しと聞くと、若手の抜てきをイメージするが、優秀なシニア人材の引き留めも主眼だ。人事制度改革で縦割りを打破し、「ワン Kawasaki」によって成長する絵を描く。

<span class="fontBold">橋本社長は優秀なシニア人材にいかに残ってもらうかが大事だと話す</span>(写真=左:竹井 俊晴)
橋本社長は優秀なシニア人材にいかに残ってもらうかが大事だと話す(写真=左:竹井 俊晴)

 新たな人事制度では、4000人を超える非組合員の幹部社員について、4区分の役割グレードを13区分の職務等級に見直した。より細やかに職務の重みを処遇に反映できるようにした。

 従来は、例えば4区分のうち一番下位で、課長級に相当するグレード1には2000人以上がいたが、職務の重みが違っても同じグレードということで処遇には反映されていなかった。尾﨑学・人事本部人事副本部長は「『与えられる仕事の難度が上がっても同じグレード1か』となってしまうのではモチベーションが保てない」と話す。

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