この記事は日経ビジネス電子版に『パナソニック、「富む前に老いる」中国高齢者市場に挑む』(7月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月9日号に掲載するものです。

「雅達・松下社区」。中国江蘇省宜興市に、高齢者をターゲットにした住宅地が急ピッチで建設されている。現地企業とパナソニックが共同で開発を進めており、同社の住宅設備機器が全面的に採用された。かつて中国の工業化を手助けした同社は、少子高齢化に悩む現在の中国を再び救うのだろうか。

<span class="fontBold">中国江蘇省で建設が進む「雅達・松下社区」</span>
中国江蘇省で建設が進む「雅達・松下社区」

 「雅達・松下社区」は中国で養老・健康や観光事業などを手掛ける雅達国際ホールディングスとパナソニックが共同で開発を進めている。約30万m2の用地に一戸建てと低層集合住宅、合計1170戸を建設し、販売する計画。うち一戸建て173戸は完売した。

 「松下」の名が付いた住宅地は中国初となる。パナソニックへの社名変更から10年以上がたっているが、中国では長年、「松下(ソンシャー)」として親しまれておりブランドの浸透度が高いことから今も継続使用している。パナソニック中国・北東アジア社(CNA)の本間哲朗社長は「我々は、不動産そのものは手掛けない。ただ、今回は雅達が我々の提案を全て受け入れてくれたことから、例外的に松下の名を付けさせてもらった」と話す。

 具体的には、スマートフォンと連動させて照明と空調を制御するシステムや座ったまま血圧や心拍数を計測し、尿成分から健康診断もできる高級トイレのほか、洗濯機や乾燥機などパナソニック製品を全面的に採用した。センサー技術を用いて歩行や発声などの様子から入居者の体調管理のアドバイスをするなど、日本でまだ採用していない先進技術も取り入れる考えだ。

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