この記事は日経ビジネス電子版に『若者がビール回帰、コロナ禍「20代の家飲み」にかすかな光明』(7月30日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月9日号に掲載するものです。

ビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売が伸び悩む中で、狭義の「ビール」が健闘している。酒税法改正で店頭価格が下がったという理由だけではない。世代別に分析すると20代が着実に手に取っている。「おじさんの飲み物」というレッテルを覆し、真価に気付いてもらえたのか。コロナ下で買い手の動きが変わった。

<span class="fontBold">家飲みが広がり、クラフトビールを試してみる20代の消費者も増えている</span>(写真=PIXTA)
家飲みが広がり、クラフトビールを試してみる20代の消費者も増えている(写真=PIXTA)

 「ビールへの回帰が顕著に見られる」。キリンビールの布施孝之社長は7月9日の会見でこう語った。コロナ禍でビール類の市場が縮小しているがビールに限れば2021年上半期(1~6月)の販売数量は前年同期比10%増。ビールが上半期に前年を超えたのは6年ぶりだ。

 けん引役は20代の若者。市場調査会社のデータによると、旗艦ブランド「キリン一番搾り」は5月の販売数量が前年同月比約1.3倍で、その中でも20代による購入が約1.6倍と突出している。布施社長は「ビールの魅力化にとって大変良い傾向だ」と自信を見せる。

 大手4社の上半期のビール類販売は全社が前年同期を下回り、数量の減少幅はキリンが2%、サッポロビールは5%、サントリービールは11%となった。金額ベースで公表しているアサヒビールは8%減った。

 一方、購買行動を分析すると20代の家庭用のビール消費が伸び、キリンやサッポロは缶商品の売れ行きが好調だ。「若者のビール回帰」に需要回復のかすかな光明が見える。

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