緊急事態宣言の対象地域が広がり、8月末までの期間延長が決まるなど、観光業界への逆風はやまない。一方で、消費者の「宣言疲れ」を背景にお盆を中心とした夏休み期間の移動需要には底堅さが見られる。リスクを抑えようと消費者も知恵を絞っており、感染状況に客足が左右されにくい傾向が鮮明になっている。

<span class="fontBold">東京五輪を開催しているのだから我慢しなくてもいいだろうという声があるだけではない。消費者の自衛が進んだことも人の流れが抑制されない一因になっている(左は東京・浅草、右は羽田空港)</span>(写真=2点:共同通信)
東京五輪を開催しているのだから我慢しなくてもいいだろうという声があるだけではない。消費者の自衛が進んだことも人の流れが抑制されない一因になっている(左は東京・浅草、右は羽田空港)(写真=2点:共同通信)

 「国内線需要は6月に底打ちし、7月以降は回復傾向が続いている」。7月30日、ANAホールディングス(HD)の福澤一郎取締役専務執行役員はこう話した。同日発表した2021年4~6月期決算は営業損益が646億円の赤字。営業赤字幅は前年同期の1590億円から縮小した。福澤氏の口ぶりからも1年前のような悲壮感は感じられない。

 1回目の緊急事態宣言が発令された20年4~6月期は国内線旅客数が19年の同期に比べ9割近く減っていた。21年4~6月期も最大10都道府県にゴールデンウイーク(GW)を含む約2カ月間、緊急事態宣言が適用された。それでも国内線旅客数は前年同期比で2.5倍に増えている。

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