この記事は日経ビジネス電子版に『「二刀流」のグローリー、キャッシュレスでも現金精算機は好調のなぞ』(7月21日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8 月2日号に掲載するものです。

個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合が過去最高になった。現金はお役御免になるのかと思いきや、意外にも小売店に置かれるレジ向け釣り銭機の出荷台数は伸びている。裏には小売業界が抱える構造問題が見え隠れする。

 <span class="fontBold">京王ストアは消費者が自ら精算するセルフレジの導入を進めている</span>
京王ストアは消費者が自ら精算するセルフレジの導入を進めている

 東京都府中市のスーパーマーケット、京王ストア府中店。レジの店員がバーコードリーダーで商品の値段を読み取った後、消費者はその先にある現金精算機に紙幣を入れ、釣り銭を受け取る。同店にはこうしたセミセルフレジが5台置かれている。店員が現金精算するレジは1台だけ。同社では1年3店舗のペースで有人からセミセルフレジに入れ替えており、27の総店舗数のうち11店舗で設置した。営業本部の金子美晴氏は「将来的にはすべてセミセルフレジに切り替える計画」と話す。

 キャッシュレス決済の普及にもかかわらず、セルフレジの需要は伸びている。政府が6月にまとめた2020年の日本の個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合は19年比で2.9ポイント増の29.7%と、過去最高を更新した。統計のある10年以降で、伸び率も最大だった。その一方で、セルフレジ向けを含めた釣り銭機で国内シェア6割と最大手のグローリーの販売台数は右肩上がり。コロナ禍の20年こそ前年比で減少したが、この10年間は毎年、前年比プラスと好調そのもの。同社は出荷台数を明らかにしていないが、20年は15年比で1.5倍に増えた。

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