この記事は日経ビジネス電子版に『今治造船、スエズ座礁でも船主業継続 背景にリスクの荒波』(7月14日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月2日号に掲載するものです。

今治造船のグループ会社が船主となっているコンテナ船が3月、エジプトのスエズ運河で座礁した。賠償金を支払う事態となったが、今治造船は7月の記者会見で船主業を続けると強調した。複数のリスクの荒波を越えていくには船主業はむしろ不可欠という。

<span class="fontBold">正栄汽船が持つ大型コンテナ船はスエズ運河での座礁から3カ月余りを経た7月7日、ようやく出航。影響を受けた船は400隻以上に上った</span>(写真=picture alliance/アフロ)
正栄汽船が持つ大型コンテナ船はスエズ運河での座礁から3カ月余りを経た7月7日、ようやく出航。影響を受けた船は400隻以上に上った(写真=picture alliance/アフロ)

 「あの案件でコンテナ船の保有をやめる気は全くない」。7月12日、今治造船の檜垣幸人社長は年1度の会見で、自身が社長を務める正栄汽船の座礁事故について語った。「リスクがあると認識したうえで造船業と一体になって船主業をできるくらいの規模感を持たないと、造船経営自体が厳しい」

 3月下旬、正栄汽船が持つ大型コンテナ船「エバーギブン」が運河を塞ぎ、400隻以上に影響した。同船は3カ月超を経て7月7日に運河から出航。賠償額は明らかにされていないが、スエズ運河庁は5億5000万ドル(約600億円)を求め、船主側は1億5000万ドルを提示して交渉していた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り873文字 / 全文1362文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。