この記事は日経ビジネス電子版に『第4のコロナ薬「抗体カクテル療法」、疫病との闘いが変わるか』(7月21日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月2日号に掲載するものです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、また新たな武器が登場した。中外製薬が6月29日に承認申請した抗体カクテル療法の「ロナプリーブ点滴静注セット」だ。軽症者に使える初の治療薬で、予防に用いることも視野に入れている。コロナとの闘いが新たな段階を迎えつつある。

 7月19日に厚生労働大臣が特例承認し、20日からCOVID-19の入院患者を受け入れる医療機関で使えるようになった。カシリビマブとイムデビマブという2種類の抗体を併用し、点滴注射することから「カクテル療法」と呼ばれる。国内では米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」など3種類がCOVID-19に転用されており、ロナプリーブは4番目に承認された治療薬となる。軽症者向けは初めてだ。

<span class="fontBold">日本で4番目の新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認されたロナプリーブ。転用ではなく、当初から新型コロナ向けに開発された</span>
日本で4番目の新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認されたロナプリーブ。転用ではなく、当初から新型コロナ向けに開発された

 抗体は、標的のたんぱく質などに結合する性質を持つ物質。新型コロナウイルスが細胞に侵入する際に使うスパイクたんぱく質と呼ばれる部分に2種類の抗体が互いに邪魔をせずに結合し、侵入を妨ぐ。軽症から酸素投与を必要としない中等症の患者に1回投与することにより、重症化を回避する。同じ働きの抗体を2つ組み合わせて変異株に効果を発揮することを狙ったという。

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