この記事は日経ビジネス電子版に『お届けは「当日」から「最短15分」に、激化するEC宅配の時短競争』(7月12日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月19日・26日号に掲載するものです。

ネット通販の配達時間をどれだけ短縮できるか。ラストワンマイルを巡る競争が激しさを増している。Zホールディングスは「出前館」を活用して最短15分に挑み、ヤマダデンキも高速配送を強化する。食事配達などの空き時間活用につながる一方で、過当競争は不毛な消耗戦と紙一重だ。

 日用品や食料品を注文から最短15分でお届けします──。ヤフーやLINEを抱えるZホールディングス(ZHD)は7月末に、こんな実証実験を始める。

 ZHDが活用するのは、グループ内でフードデリバリーを手掛ける出前館だ。傘下のアスクルが販売する日用品など、売れ筋の約300品目を地域の専用倉庫に保管。注文が入れば出前館の配達員が倉庫に取りに行き、最短15分で商品を届けるという。ZHDの川邊健太郎社長は「様々な配送方法を選べるようにして、顧客の利便性向上につなげたい」と期待を寄せる。

 ネット通販の弱点は注文から配達までの「タイムラグ」だ。EC(電子商取引)事業者は宅配事業者と組んだり自社物流網を整備したりして「時短」に挑んできた。新型コロナ禍で巣ごもり消費が普及し、その競争が激化している。

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