この記事は日経ビジネス電子版に『「セロハン」復権、脱プラスチックが促す古くて新しい素材革命』(7月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月12日号に掲載するものです。

セロハンテープや工作で使う色セロハンなど、なじみが深い素材のセロハン。耐久性や耐水性に勝るプラスチックフィルムに徐々に需要を奪われ、メーカーは国内に2社だけになった。実は木材由来の「透明な紙」であるセロハンが、脱プラスチックで復権の兆しを見せている。

 1908年に欧州で発明されたセロハンの国内生産が始まったのは20年代後半。その後、ポリエチレンと組み合わせた「ポリセロ」が食品の包装材などに広く使われるようになり、セロハンを国内で生産するメーカーは一時13社に達した。だが、価格や性能、生産効率に優れたプラスチックフィルムに徐々に需要を奪われていった。現在もセロハンの生産を続けるのは段ボール大手のレンゴーとフタムラ化学(名古屋市)の2社だけだ。

 セロハンを生産するレンゴーの武生工場(福井県越前市)には、かつては6台のセロハン生産設備があったが今では2台まで減っている。チョコレートやあめ玉のひねり包装、セロハンテープ、粉薬の袋など、「ねじって包んだ場合に勝手にほどけない」「静電気を帯びにくく引き裂きやすい」といった特性を生かせる分野で辛うじて生き残っているのがセロハンの現状だ。レンゴーの海老原洋専務執行役員は「使われているというよりは、ごく一部残っているというのが正確」と自嘲気味に話す。

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