この記事は日経ビジネス電子版に『ホンダの小型耕運機が独走 20年越しの販路開拓が結実』(7月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月12日号に掲載するものです。

コロナ禍で家庭菜園の人気が高まる中、ホンダの知られざるヒット商品である小型耕運機が好調だ。車軸ロータリー式と呼ばれる耕運機のシェアは5割に達し、人気機種の2020年の販売台数は前年から15%増えた。農家向けの農機具販売が先細りになる中、個人への販売を増やすべく進めた販路開拓が実を結んだ。

 農業人口の減少に伴い、10年間で4割近く縮小した国内の耕運機市場。2020年はコロナ禍での家庭菜園人気が影響し、国内向け出荷台数が前年比1%減とようやく下げ止まった格好だ。そのけん引役となったのが、車軸ローター式と呼ばれる車輪を持たない小型耕運機。特に、この分野でシェア5割を占めるホンダが販売する小型軽量の「こまめ」シリーズがエントリー層の需要をとらえ、販売台数を前年比で15%も増やした。

<span class="fontBold">小型軽量で家庭菜園での利用に適したホンダの耕運機「こまめ」</span>
小型軽量で家庭菜園での利用に適したホンダの耕運機「こまめ」

 ホンダは16年に発売したこまめの最新モデル(4代目)で使用後のガソリン排出を簡単にする機構を設けるなど、農機具の扱いに不慣れな顧客を想定しながら製品の性能や使い勝手を磨いてきた。それ以上に大きかったのは、農家向けの農機具市場の縮小を見据え、家庭菜園を想定した販売体制を20年越しで整えてきたことだ。

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