この記事は日経ビジネス電子版に『東芝が「自滅」した3つの理由、混乱の株主総会』(6月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月5日号に掲載するものです。

東芝が6月25日に開いた定時株主総会で永山治取締役会議長の再任案が否決された。当初予定していた13人の取締役候補者のうち、5人が就任しない異常事態となった。「株主との対話不足」「曖昧な自社調査」「官への過度な依存」の3つの理由で自滅した格好だ。

<span class="fontBold">6月25日の定時株主総会には多くの株主が出席し(左)、取締役会議長だった永山治氏(右)の再任案は否決された</span>
6月25日の定時株主総会には多くの株主が出席し(左)、取締役会議長だった永山治氏(右)の再任案は否決された

 東芝が6月28日に関東財務局に提出した臨時報告書によると、永山氏への賛成率は43.74%にとどまった。同じく再任が否決された監査委員会委員の小林伸行氏に至っては25.32%となり、株主の強烈な不信が浮き彫りになった。賛成率77.39%だった綱川智社長兼CEO(最高経営責任者)が暫定的に議長に就任したが、混迷は長引きそうだ。

 直接の引き金は6月10日に公表された調査報告書だ。2020年7月の定時株主総会についてアクティビスト(物言う株主)が指名した外部の弁護士が調べ、「株主総会が公正に運営されたものとはいえない」と結論づけていた。

 会社側は当時の監査委員会委員長の太田順司氏ら2人の再任案を取り下げて幕引きを図ったが、株主の怒りは収まらない。議長を務めていた永山氏にも混乱の責任があるとして、米国の議決権行使助言会社2社が再任に「反対」を推奨。国内の機関投資家も反対票を投じ、今回の否決に至った。

 67.96%で取締役に選ばれたジョージ・オルコット氏も25日辞任したため、招集通知に記載された候補者13人のうち、5人が東芝を去ることになった。

アクティビストに翻弄されてきた
●東芝とアクティビストとの対立の経緯
<span class="fontSizeL">アクティビストに翻弄されてきた</span><br />●東芝とアクティビストとの対立の経緯
[画像のクリックで拡大表示]
続きを読む 2/2 議長「否決」は防げたはず

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1563文字 / 全文2372文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

世界の頭脳に学ぶウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。