この記事は日経ビジネス電子版に『「防衛」依存強まる航空機産業 6000億円消失、浮上なるか』(6月10日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』6月21日号に掲載するものです。

新型コロナウイルス禍による日本の航空機産業への打撃が鮮明だ。2020年度は民間需要の縮小が約6000億円に及び、結果として「防衛」色が強まった。民需には不透明な要因が残り、業界全体が依然として先行きを不安視している。

民需の先行き不透明感はなお強い(IHIの部品工場)
市場の縮小幅は3割に及ぶ
●国内の航空機生産額
注:経済産業省調べ。2019、20年度は速報値

 「中小企業では週休3~4日というところもある」。日本航空宇宙工業会(東京・港)の村山滋会長(川崎重工業特別顧問)は、大幅に縮小した市場への危機感をにじませる。2020年度の国内の航空機生産額は19年度比32%減の1兆2634億円になった。

 内訳を見ると、民間需要が44%減った。コロナ禍に伴って米ボーイングなどが旅客機を減産したためだ。これに対し防衛需要は1%減にとどまる。防衛省など日本政府を相手にした戦闘機や哨戒機の製造、メンテナンスの取引は安定している。民間と防衛の比率は6対4となり、19年度の7対3から防衛に傾いた。

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