この記事は日経ビジネス電子版に『エクソンもシェルも苦杯 脱炭素の圧力が国内石油元売りの試練に』(6月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』6月7日号に掲載するものです。

「石油の世紀」だった20世紀に君臨した欧米の石油メジャーが、外部からの圧力に相次ぎ苦杯をなめた。国内の石油元売りも、進めていた事業構造の転換をさらに加速しなければならない情勢だ。石油産業が歴史的な転換点に立つ中、納得感のあるシナリオを提示できるかが問われる。

 2021年5月26日は、石油メジャーが「脱炭素」の波にのまれた歴史的な日となった。

 その一つが、米エクソンモービルが開いた株主総会。「物言う株主」である新興の投資会社、エンジン・ナンバーワンが株主提案で推薦した取締役候補4人のうち、2人が選任されたのだ。

 「エクソンモービルは産業の転換とともに進化することに失敗し、株主に不利益をもたらす大幅な業績不振につながった」。こうした主張で脱炭素など気候変動対策の強化を求めてきたエンジン・ナンバーワンは、エクソンモービル株を0.02%しか保有していない。だが、米国最大の公的年金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)などの株主の賛同を取り付け、取締役2人を送り込むことに成功した。エクソンモービルが脱炭素への取り組み強化を迫られるのは必至だ。

エクソンは気候変動に関する活動家の抗議対象になっていた(写真=AFP/アフロ)

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