この記事は日経ビジネス電子版に『パナ楠見CEOの所信表明を前任者が「参観」、新機軸は見えたか』(6月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』6月7日号に掲載するものです

パナソニックは5月27日、楠見雄規CEOによる経営方針説明会を開いた。会見では、2030年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする目標を掲げた。ただし、それ以外で目新しさはない。津賀路線の踏襲だけで苦境を脱せるのか。

オンラインで開かれた説明会では、画面に映らない角度から津賀一宏社長が楠見雄規CEOの様子を見守っていた

 「津賀さんがまさに私の前におられますので、どう答えようかと思っているところです」

 5月27日にパナソニックが開いたオンラインでの経営方針説明会。6月24日付で社長になる楠見雄規CEO(最高経営責任者)は、約20分の質疑応答で2度もこの言葉を口にした。画面に映らない角度で、津賀一宏社長が後任の「所信表明」を見守っていたようだ。

 説明会で楠見氏が強調したのは環境問題への取り組みだ。自社工場での再生可能エネルギーの利活用を加速し、事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出を2030年までに実質ゼロにして「カーボンニュートラル」を実現する。71億ドル(約7700億円)で年内に買収する米ブルーヨンダーの需要予測技術なども用い、サプライチェーンを効率化して環境負荷を減らすという。

 脱炭素は世界的な潮流だが、日本企業の多くは40~50年に達成することを目指している。米アップルなどが部品調達先に脱炭素を促す中、パナソニックは先進的な目標を掲げることで新たな成長領域を開拓する。

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