この記事は日経ビジネス電子版に『任天堂が損害賠償請求額「倍増」、対コロプラ訴訟に透ける深謀遠慮』(5月19日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月31日号に掲載するものです

任天堂が2017年にコロプラを特許侵害で訴えた訴訟に、再びゲーム業界の注目が集まっている。きっかけは任天堂が4月、損害賠償の請求金額を49億5000万円から96億9900万円に倍増したことだ。昨年12月、44億円だった請求金額を49億5000万円としたのに続く引き上げ。何が起きているのか。

<span class="fontBold">対コロプラ訴訟で任天堂が改めて注目を集めている</span>(写真=PIXTA)
対コロプラ訴訟で任天堂が改めて注目を集めている(写真=PIXTA)

 任天堂による請求金額の倍増はコロプラ側が明らかにした。4月21日にホームページや東証の適時開示システムで発表した資料には、増額の理由について「時間経過等によって請求金額を追加したというもの」と記されている。昨年12月の増額時のコロプラの資料(2月12日公表)は「時間経過によって請求金額を追加したというもの」だった。変化したのは「等」の1文字が加わったことだ。

 任天堂に問い合わせてみると、「損害額の審理に入るために金額を再計算したもの」との回答が得られた。これが「等」の意味するところというわけだ。

 どういうことだろうか。損害賠償を求める争いでは、訴訟が進むにつれて請求金額を引き上げていくのが定石だ。請求金額が増えるほど、裁判所に支払う必要が生じる手数料が膨らむ。つまり、余計な手数料を払わなくて済むように「勝てる見込みが強まった段階で、請求額を改めて算定し直して増額する戦略をとることが多い」(企業法務を手掛ける弁護士)のだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り829文字 / 全文1494文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。