この記事は日経ビジネス電子版に『日本製鉄、中国・宝山鋼鉄の「爆速」研究開発の足音が聞こえる』(5月12日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月24日号に掲載するものです。

日本製鉄が2期連続の最終赤字から、今期のV字回復に向けた取り組みを急いでいる。鉄鋼生産設備の再編による損益分岐点の改善に一定のメドがついた。さらに鋼材値上げで利幅を増やす方針。中国・宝武鋼鉄集団の脅威は日に日に増している。脱炭素という資金がかかる厳しい戦いが待ち受けている。

日本製鉄の橋本英二社長は中国との脱炭素製鉄技術の研究開発競争に注力する(設備写真は日鉄の製鉄所)

 「徹底して固定費を削った成果が出てきて、トンネルをなんとか抜けつつある」。5月7日の決算説明会で日鉄の橋本英二社長はこう述べ、業績の最悪期は脱したとの認識を示した。

 橋本氏は国内鉄鋼事業の設備の集約を進めてきた。構造改革に伴う減損損失や事業再編損で2021年3月期まで2期連続の最終赤字。22年3月期の最終損益は需要の回復や固定費、変動費の削減で2400億円の黒字を見込む。

 だが、国内需要の先細りは避けられず、単独粗鋼生産量は26年3月期に3800万トン程度と10年前に比べ約20%減少すると見ている。橋本社長は「鋼材値上げ、『ひも付き価格』の是正が欠かせない」と課題を挙げる。

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