この記事は日経ビジネス電子版に『一時帰国してみたら……日本のコロナ水際対策は穴だらけ』(5月18日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月24日号に掲載するものです。

東京五輪・パラリンピックまで約2カ月となったが、新型コロナウイルスの感染拡大が続き不安が広がっている。筆者が一時帰国した4月下旬に水際対策を実体験して見えてきたのは、「穴だらけの現実」だった。「東京五輪型ウイルスを生みかねない」との声もある。このままでは未来に語り継がれる失態を生みかねない。

多くの店舗が閉鎖されたままで閑散とする成田国際空港

 「水際対策の新体制は3月26日からで、現場はまだ混乱している」

 4月下旬に米ニューヨークから一時帰国すると、成田国際空港の水際対策担当者はこう教えてくれた。米国の対策は変異種が確認された英国などと比べて少し緩やかだ。それでも出発前の現地空港から質問票への記入を求められ、搭乗機内でも複数書類の記入と誓約書への署名が必要だった。

 日本到着後は空港でさらに健康チェックと唾液検査、自主隔離中の所在地や健康状態を政府に知らせるためのアプリ3種(グーグルマップを加えると4種)のスマートフォンへのダウンロード作業に1時間半~2時間を要した。

 冒頭の担当者は、そのダウンロード作業を支援していた中国語を話せる男性だった。「個人情報漏洩の問題でLINEの使用が廃止され、ワッツアップの使用が追加されたがほとんど使っている人がいない。作業は複雑になり、特に高齢者への説明は難しい」

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り789文字 / 全文1418文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。