この記事は日経ビジネス電子版に『病状悪化で経団連・日立会長を退任 「剛腕」中西宏明氏の宿題』(5月17日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月24日号に掲載するものです
経団連と日立製作所はそれぞれ、体調不良で中西宏明氏が会長を退任すると発表した。事業の入れ替えを進め、雇用制度などさまざまな改革を断行。途中降板を惜しむ声は多い。中西氏の残した宿題が電力改革。原発再稼働という難問は後任に重くのしかかる。

「(社長就任の打診は)4月下旬だったが、中西会長が退任するインパクトの方が響いた」。日立製作所が5月12日に開いた経営トップの交代会見。6月に社長兼COO(最高執行責任者)となる小島啓二副社長の口調は、昇格人事にもかかわらず悔しさに満ちていた。
経団連は5月10日、日立は12日、中西宏明氏が会長を退任すると発表した。リンパ腫が再々発した疑いがあり、中西氏自身が退任を申し出た。経団連会長には住友化学の十倉雅和会長が、日立会長には東原敏昭社長兼CEO(最高経営責任者)がそれぞれ就く。
惜しむのは日立社内だけではない。経済同友会の桜田謙悟代表幹事は11日、「相当苦しい思いをされながら続けてこられた」とコメント。日本商工会議所の三村明夫会頭も13日、「任期の途中で退任となるのは悩んだ末の苦渋の決断だったと思う」とおもんぱかった。
古巣も迷わずに売却
無念の退任となる中西氏は、日立と経団連という重厚長大な組織の改革に心血を注いできた。その歯に衣(きぬ)着せぬ発言から「剛腕経営者」と呼ぶ声も少なくなかった。
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