この記事は日経ビジネス電子版に『日本が「ファンドの遊び場」に 東芝問題で露呈した法制度の不備』(4月28日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月17日号に掲載するものです。

英投資ファンドによる非上場化提案から、車谷暢昭社長兼CEO(最高経営責任者)の辞任に発展した東芝問題。その後もシンガポールの資産運用会社が株主構成の再検討を促す書簡を送るなど、ファンドが次々出現した。早稲田大学の上村達男名誉教授は「日本はファンドがやりたい放題の状況」と法制度の不備を問題視する。

法制度不備に警鐘を鳴らす上村氏(左)。右は東芝の車谷前社長(写真=背景:共同通信)

東芝の一連の問題をどう見ているか?

 ファンドやアクティビスト(物言う株主)が想定した通りに物事が進んだと思う。東芝は2017年12月にファンドなど約60社の海外投資家を引き受け手として約6000億円を増資し、これらの投資家が株主となった。18年6月に約7000億円の自社株買いを発表し、ファンド側に報いた。半導体子会社「東芝メモリ」の売却益1兆円のうち7000億円を株主に報いることに使った。この行為に事前の約束ないし暗黙の了解があったとすれば、全体が偽計取引にも見える。

結局、車谷氏は辞任した。

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