この記事は日経ビジネス電子版に『社外取締役、2000人不足も?「名ばかり」排除できるのか』(4月22日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月3日号に掲載するものです。

金融庁などが4月、企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の改訂案をまとめた。要の一つが独立した社外取締役の3分の1以上の選任だ。現状では1000人の社外取が不足するとみられている。人材業界では早くも争奪戦が始まった。資質を二の次にして数合わせに終始すれば投資家の信認は得られない。

 社外取の紹介サービスを手掛けるパソナグループのパソナJOB HUBには、2021年に入り、人材照会の問い合わせが絶えない。

独立社外取締役の数は年々増加
●独立社外取締役数の推移
注:東証上場企業全体
出所:東京証券取引所「東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書2021」

 企業が社外取候補の紹介を求めたり、問い合わせをしたりする受付件数は2~3月、前年同期比1.5倍に達しており、「肩書だけでなく経験やスキルも含め有力な候補を引き込みたい需要が急増している」(同社の髙木元義社長)。同じく社外取を仲介する株主助言会社のアイ・アールジャパンも1~3月の受付件数が前年同期比3割増えた。

 独立社外取締役を3分の1以上とする改訂案は東京証券取引所の再編で1部市場を引き継ぐ「プライム市場」に上場する企業に22年度から課せられる。東証1部で社外取が3分の1未満の企業は896社。新コードが適用されると約1000人が足りなくなる見通しだ。

 そもそも社外取を増やすのは、海外投資家の呼び込みが主な目的だった。だが、選任増の効果は少し怪しい。

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