この記事は日経ビジネス電子版に『「心理学でもあり、強いメッセージを」緊急事態宣言で尾身氏』(4月23日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月3日号に掲載するものです。

政府は4月25日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に適用した。日経ビジネスは宣言発令を決める前日の22日、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長にインタビューした。尾身氏はコロナ禍の長期化で多くの人の気が緩んでおり、強いメッセージを出す必要があるとの認識を示した。

尾身 茂[おみ・しげる]
自治医科大学卒、医学博士。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長などを経て2014年、地域医療機能推進機構の理事長(写真は昨年12月)。(写真=共同通信)

今回、緊急事態宣言を発令する理由を改めて教えてください。

 東京都と大阪府では目的が異なります。大阪は医療の逼迫、つまり一般診療への支障が出ているからです。新たな感染者は増えていますが、拡大のスピードは鈍化しているように見えます。

 大阪の問題は感染者が今日、何人増えたということではないのです。核心は医療の逼迫が起きてしまっているということです。仮に新規の感染がピークアウトしたとしても、重症者はしばらく増え、医療への負荷はどんどん大きくなっていく。これが問題なのです。

 医療が逼迫している状況をどうやって抑えるか。逼迫からどうやって早く脱するか。これが大阪の本質です。

 東京は感染拡大のスピードが徐々に上がっている。このままいくと大阪のようになる可能性があると考えられる。ここがポイントです。大阪とは違いますよね。医療が逼迫してから緊急事態宣言を出しても遅い。そこをよく考えていただきたいということです。

大阪だけでは解決できない

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