この記事は日経ビジネス電子版に『自工会豊田会長「3度目の警告」 岐路に立つエンジン』(4月27日)、『ホンダ、40年に新車を全てEV・FCVに 「高い目標こそ奮い立つ」』(4月26日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』5月3日号に掲載するものです。

自工会の豊田会長が国の脱炭素政策に対し、昨年末以降、3度目の注文をつけた。電動化を進める一方、日本が世界に誇るエンジンの技術や雇用を守る施策を要求。世界で急激に進む脱炭素化のうねりの中で、産業保護と構造転換の難しいバランスが求められている。

<span class="fontBold">トヨタ自動車は上海国際自動車ショーで新EV「bZ4X」を披露。</span>
トヨタ自動車は上海国際自動車ショーで新EV「bZ4X」を披露。

 「私たちの目指すゴールはカーボンニュートラル(炭素中立)なのであって、その道筋は1つではない。脱炭素の出口を狭めないでほしい」

<span class="fontBold">豊田章男社長は日本自動車工業会会長として再び国の政策に異議を唱えた</span>
豊田章男社長は日本自動車工業会会長として再び国の政策に異議を唱えた

 4月22日、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は定例会見に臨み、ガソリン車廃止に傾く国の政策に異議を唱えた。会見時間をほぼ丸々使い切って脱炭素政策に警告を発するのは、昨年12月以来、3度目のことだ。

 菅義偉内閣は昨年10月、日本が2050年までに炭素中立を実現する目標を宣言。昨年12月にその工程表である「グリーン成長戦略」で、30年代半ばまでに乗用車の新車販売でガソリン車をゼロにすることを掲げた。

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