この記事は日経ビジネス電子版に『コロナ第4波でも財政支援縮小へ 「雇調金頼み」が招く失業増』(4月20日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月26日号に掲載するものです。

「まん延防止等重点措置」が10都府県に適用された場合の経済損失は推計で7750億円に上る。経済環境の悪化が避けられない中、コロナ禍の主な雇用支援策であった雇用調整助成金が5月から縮小される。財政支出に依存した対策ではコロナとの闘いを乗り切れないだけに、労働移動を促す政策も必要だ。

<span class="fontBold">飲食店に時短を要請する「まん防」は10都府県に拡大</span>(写真=共同通信)
飲食店に時短を要請する「まん防」は10都府県に拡大(写真=共同通信)

 3月21日の主要都市における緊急事態宣言解除から1カ月もたたないうちに、感染が再拡大している新型コロナウイルス。政府は緊急事態宣言に準じた措置である「まん延防止等重点措置」を、医療体制に支障が出る恐れのある地域に順次、適用している。対象地域は大阪、東京、神奈川、愛知など計10都府県となった。

 まん延防止措置の主な感染抑制策は、飲食店への午後8時までの時短要請・命令だ。緊急事態宣言の休業要請・命令までには至らないものの、人出を抑える措置である点においては変わらない。飲食・サービス業中心に悪影響が出るのは避けられないだろう。

 野村総合研究所の木内登英氏は、10都府県のまん延防止措置適用により発生する経済損失(個人消費の減少)は7750億円で、3万1000人の雇用に影響を与えると見積もった。同氏は「2回目の緊急事態宣言による経済損失の推定値6兆3000億円と比べればまだ1割強程度だが、今後もまん延防止措置の対象地域のさらなる拡大、緊急事態宣言の再発令が予想される。損失の規模は2回目の緊急事態宣言時に近づいていくのではないか」と見る。

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