この記事は日経ビジネス電子版に『後発だけど「レベル2」、トヨタの自動運転に見えた深謀』(4月9日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月19日号に掲載するものです。

トヨタ自動車が「手放し運転」に対応する運転支援システムを搭載した車種を発売した。ただし、自動運転のレベルでは「2」に相当。運転者は進行方向を監視し続けなければならない。ホンダなどが先行する中、トヨタは「人」との関係を勝負どころに選んだ。

 「レベル競争よりも、本当に安心を感じてもらえるかどうかが重要」。4月8日にトヨタ自動車が開いた記者発表会。レクサスの最上位車種「LS」と燃料電池車(FCV)「MIRAI」に搭載した高度運転支援システム「アドバンスドドライブ」を発表した前田昌彦最高技術責任者(CTO)は、こう淡々と語った。

 アドバンスドドライブ搭載車では、高速道路や自動車専用道路で「手放し運転」ができる。複数のセンサーとコンピューターの組み合わせによって周囲や自車の状況を判断。アクセルやブレーキ、ステアリングをシステムが制御する。これまで衝突回避や車間維持走行などの運転支援システムを搭載してきたトヨタが手放し運転機能を市販車に搭載したのは初めて。

 ただし、あくまで「システムが運転してドライバーが見守るモード」(トヨタの鯉渕健先進安全領域統括部長)であり、自動運転のレベルでは「2」に相当する。運転者は進行方向を監視し続ける必要があり、車線変更するかどうかといった意思決定も運転者に任せる。

 トヨタはアドバンスドドライブを2020年中に実用化する計画だったが、「顧客に安心して使ってもらえる品質」(前田CTO)を実現するために投入がずれ込んだ。その間にトヨタは「後発」となった。

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