日本の2020年の外国人観光客による消費額は前年比77%減となり、主要先進国で最大の落ち込み幅となった。新型コロナウイルスの感染者数は欧米より少ないが、観光客に依存する構図が露呈したかたちだ。政府は訪日客向けのビザ発給要件の緩和などを進めてきたが、留学生など地域に根差した存在も欠かせない。

主要国の中でも日本の減少が目立つ
●2020年のインバウンド収入(19年との比較)
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注:各国の国際収支統計から作成(旅行収入)、現地通貨ベース

 主要各国の2020年の国際収支統計が出そろった。外国人観光客による消費額を示す「旅行収入」は、日本が19年比77%減と主要先進国で最大の落ち込み。米国やイタリアは6割減、ドイツは5割減にとどめた。

 これは街の様子とは逆の結果にも見える。ロンドンに駐在する日系金融機関のマネジャーは先日、ウェストミンスター大聖堂を訪れて「ほぼ誰もいない」と驚いた。フィリップ殿下が亡くなった翌日だったが、新型コロナウイルス対策で行動制限が続いているためだ。日本は東京や大阪で「まん延防止等重点措置」が適用されつつも、昼間の人通りはある。

 厳しいロックダウン(都市封鎖)を繰り返してきた欧米より、なぜ日本のほうが外国人消費で影響を受けるのか。背景には、訪日戦略で「観光目的」に頼りすぎていた面が浮かび上がる。

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