この記事は日経ビジネス電子版に『高値づかみの声も、日立が1兆円買収に踏み切る理由』(4月5日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月12日号に掲載するものです。

日立製作所は米新興IT(情報技術)のグローバルロジックを約1兆円で買収すると発表した。買収額は日立として過去最高。株価は下落し、高値づかみとの声も聞こえる。東原敏昭社長兼CEO(最高経営責任者)にとり、「総合電機」から脱皮する覚悟の巨額投資となる。

日立の東原社長は米新興IT企業の巨額買収を決断(写真=東原氏:陶山 勉)

 「(独自のIoT基盤である)『ルマーダ』を進化させ、グローバル展開を加速するための買収だ」。東原社長は3月31日のオンライン会見で、グローバルロジックを96億ドル(約1兆500億円)で買収する狙いについてこう説明した。7月をめどに既存株主から全株式を取得する。

 グローバルロジックは2000年の創業で、従業員は約2万人。欧米を中心に金融や通信、自動車、ヘルスケアなどの400社超の顧客を抱える。21年3月期の売上高は前の期に比べ19%増の9.2億ドル、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)比率は23.7%を見込む。

 株式市場の評価は厳しい。「高値づかみではないか」などとの見方から、3月31日の日立の株価は前日比7.3%下落。4月1日も1.6%下げた。市場関係者の多くが同様に判断したようだ。

 東原社長は「企業価値は、様々な評価を受けた結果、妥当な線だと考えている」と強調する。理由の一つはグローバルロジックが、日立が国内で志向するビジネスを海外で展開しているからに他ならない。日立は16年からルマーダ関連事業を経営の軸に据えてきたが、22年3月期の同事業の売上高目標である1兆6000億円のうち、国内が7割で、海外は3割にとどまる。

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