この記事は日経ビジネス電子版に『「運賃2~3倍に」 コンテナ不足でアジアの製造業が悲鳴』(3月26日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月5日号に掲載するものです。

コンテナ輸送の運賃が世界的に高止まりしており、コンテナ船の運航にも支障が生じている。新型コロナウイルスの感染拡大で生じた混乱に、スエズ運河での座礁事故が拍車をかける。日本の製造業は国をまたぐ緻密なサプライチェーンを構築してきた。その戦略に綻びを生じさせかねない事態だ。

スエズ運河で座礁したコンテナ船とけん引を試みるタグボート(写真=Suez Canal Authority/AP/アフロ)

 「これでまたコンテナ船の運賃が跳ね上がるかもしれない」。3月24日、タイのある日系自動車部品メーカー幹部はため息交じりにこうつぶやいた。気をもんでいるのは、前日にスエズ運河で発生した大型コンテナ船の座礁事故だ。

 タグボートなどを使った作業の結果、29日にはコンテナ船が離礁し、運河の通航が再開した。ただ、同運河を通過予定だった400隻以上の船が立ち往生している。渋滞は徐々に解消される見込みだが、物流網の混乱が収束するまでにどの程度の時間がかかるかは見通せない。コンテナ船の運賃にさらなる上昇圧力がかかるのではないかとの懸念が広がっている。

 物流の大動脈に目詰まりが生じれば、その影響は全体に及ぶ。冒頭のタイの日系自動車部品メーカーをはじめとする多くの企業関係者にとって、「泣きっ面に蜂」とも言える事態だ。

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