政府は、スタートアップ育成の手段として、「特別買収目的会社(SPAC)」の解禁を検討し始めた。 上場までの期間を短縮できるとしてコロナ禍の米国で急増し、既に過熱への警戒感が高まっている。 投資銀行がもうかる仕組みとの声もある中、日本の成長の切り札になり得るのか。

 「投資家保護を図りながら、創業間もない未上場企業にリスクマネーを提供する制度整備を検討していく」。加藤勝信官房長官は、3月17日の成長戦略会議でこう述べた。

 SPACは上場して一般投資家から資金を集め、それを原資に有望なスタートアップを買収する。被買収企業は早期上場を果たし、成長資金を得られる。SPAC自体は事業を持たず、投資家は買収企業を上場時に知らされないため、「空箱」や「ブランク・チェック・カンパニー(白紙の小切手)」と呼ばれる。

 日本でもSPAC解禁を検討するのは、スタートアップ育成で大きく出遅れているとの危機感だ。

 内閣府などによると、国内総生産に対するベンチャーキャピタル投資額(2016、17年)は、米国が0.4%に対し、日本は0.03%。G7ではイタリアに次いで低い。コロナ禍の20年は、米国の投資額が前年比で1割増えたが、日本は3割減った。

 新経済連盟の三木谷浩史代表理事は、2月に日本取引所グループと開いたイベントで、「大企業の社長経験者がSPACを作れば、様々なベンチャーが持つアイデアとビジネス遂行力が結びつく」と強調した。

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