半導体の受託製造事業への再参入を宣言した米インテルに米IT(情報技術)大手がそろって賛同の声を寄せた。米中の主導権争いに、米テキサス州の停電による工場停止、ルネサスエレクトロニクスの主力工場の火災……。供給不安の半導体をめぐり各国政府が異例の対応を進める中、ようやく日本政府も動き出した。

オレゴン州にあるインテルの半導体工場

 インテルが3月23日(米国時間)に開いた説明会。半導体の受託製造(ファウンドリー)事業への再参入を発表したパット・ゲルシンガーCEO(最高経営責任者)が「特別な顧客であり、友人で、長期にわたるパートナー」と真っ先に紹介したのは米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOだった。

 ナデラCEOは「米国での半導体の製造という新しい選択肢を加える投資に賛同する」と、最大200億ドル(約2.2兆円)を投じてアリゾナ州に2工場を設置する計画を示したインテルを持ち上げた。「ウィンテル」連合でパソコン市場を支配した2社が、半導体の設計者と製造者として手を組む。

 2014年にファウンドリー事業に進出したが事実上撤退していたインテルがあらためてファウンドリー事業に乗り出す背景には、米国政府の強力な後押しがある。バイデン米大統領は2月、半導体などの供給網を見直す大統領令に署名。自ら半導体を片手に持って熱弁をふるい、国内製造の支援に370億ドル(約4兆円)を投じる方針を示した。

 半導体の供給網をめぐる米国と中国の争いは激しくなるばかりだ。米国は中国の半導体メーカーに対する輸出規制で圧力をかける。一方の中国は、半導体製造装置世界首位の米アプライドマテリアルズによるKOKUSAI ELECTRIC(東京・千代田)の買収を独禁法当局が認めず、買収断念に追い込んだ。米国は先端半導体の製造を台湾や韓国に依存してきた。「米国は半導体市場でのシェアは高いがファブレス企業が多く製造シェアが低い。中国との争いで半導体の調達が難しくなるリスクが大きくなっていた」と英調査会社オムディアの南川明氏は指摘する。

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日経ビジネス2021年4月5日号 14ページより目次

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