この記事は日経ビジネス電子版に『トヨタ・いすゞ・日野 「離別3年」が生んだ商用車オールジャパン』(3月25日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月5日号に掲載するものです。

3月24日、トヨタ自動車といすゞ自動車と日野自動車が新たな協業を発表した。商用車のCASE対応を進める共同出資会社を設立。トヨタといすゞは再び資本関係を結ぶ。互いを好敵手と見定め、市場の8割を握る商用車大手の強者連合を立ち上げた真意とは。

 自動車業界が直面する最大の課題である脱炭素に向けて、商用車分野で「オールジャパン」体制が動き始めた。トヨタ自動車といすゞ自動車、日野自動車は商用車の脱炭素やCASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)対応を目指す新会社を4月1日に共同出資で設立。いすゞと日野が持つ走行データを共有して物流効率化につなげるほか、トヨタの燃料電池車(FCV)の技術を生かし、中・小型トラックの分野で共同開発を進める。

 トヨタはいすゞに総額428億円、議決権比率で5.02%を出資し、いすゞも同額規模のトヨタ株を取得する。トヨタは日野に50.1%を出資する筆頭株主。日野といすゞのトラックの国内シェアは合計8割に達する。

離別3年目の復縁

 「カーボンニュートラル(炭素中立)への対応が課題としてのしかかってきた」。トヨタの豊田章男社長は提携の背景についてそう語った。トヨタは2006年に小型ディーゼルエンジンの開発などを目指していすゞに6%弱を出資したが、目立った成果は上げられず18年8月に資本関係を解消。離別から3年近くを経て、再び手を携えた。世界的な環境規制の強化により、商用車でも電動車やコネクテッド車などのCASE対応が喫緊の課題として浮上したためだ。

 トヨタといすゞが提携を解消していた3年近くの間に、商用車大手の国を越えた連携が急速に進んだ。いすゞは昨年10月、スウェーデンの商用車大手ボルボと電動化など次世代技術への対応で戦略的提携を締結。ボルボ傘下のUDトラックスを今年6月までに経営統合し技術開発で協力する。ホンダとも昨年1月、大型トラックのFCVの共同開発に着手した。

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