この記事は日経ビジネス電子版に『「4日で1億円」の最速記録、退潮のデジカメ市場にキヤノンの新星』(3月16日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月29日号に掲載するものです。

キヤノンがクラウドファンディングのサイトで先行販売したカメラが人気を呼んでいる。募集からわずか4日で購入総額が1億円に到達。追加販売分も3月中旬に売り切れた。縮小するデジカメ市場で生まれたヒットを、光学技術を生かした新規事業の拡大につなげられるか。

 キヤノンの販売子会社、キヤノンマーケティングジャパン(MJ)が2021年1月に先行販売を始めた「PowerShot PICK(パワーショットピック)」は、「カメラ」というジャンルを再定義するような製品だ。募集開始から4日で購入総額が1億円に達し、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」の最速記録を樹立。3月中旬までに追加販売分を含む計4000台が売り切れとなり、1億6000万円超を集めた。

 小型の監視カメラのような形状で、レンズ部が上下左右に動く機構を持つ。机の上などに置いて電源を入れておくと、どこに人が写っているかを認識しながらレンズの向きや画角を調整し、シャッターチャンスを自動で判断して撮影してくれる。家族団らんやパーティーなどでの自然な表情を撮ってもらえるとの期待が人気につながった。

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