バイオベンチャーのラクオリア創薬への個人投資家の株主提案が波紋を広げている。取締役の選任などを求める内容だが、背景に個人株主を軽視する姿勢への不満がある。バイオ株はコロナ下で注目が高まっている。市場との対話を見直すべき時期を迎えている。

 ジャスダック上場のラクオリア創薬は1月、筆頭株主から監査等委員を含む取締役の選任に関する株主提案を受け取った。経営陣を入れ替え、経営戦略を見直すべきだとする内容だ。会社側は株主提案に反対し、成長戦略をアピールする動画を配信。3月25日の株主総会を前に、委任状の争奪戦がヒートアップしている。

 株主提案をしたのは個人投資家で弁護士の柿沼佑一氏。2017年にラクオリア株を取得し、現在は10%を超える筆頭株主になっている。柿沼氏が投資先に株主提案をしたのは初めて。直接の理由は業績の下方修正が相次ぎ、株価が低迷したことだ。「個人投資家を軽視した」と主張しており、経営姿勢に疑問を示す意図もあるという。

 ラクオリアの谷直樹社長は「柿沼氏と何度か対話した。個人株主向け説明会も1年半前に1度行った」と語る。ただ、機関投資家向け説明会を「年数回実施している」(同)のに比べ、個人投資家への対応が行き届いていたかは疑問だ。

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