この記事は日経ビジネス電子版に『国民の大半が望まぬ東京五輪、プロが経済損失を計算してみた』(3月12日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月22日号に掲載するものです。

東京五輪についての世論調査で8割の人が中止や延期も「やむを得ない」と考えていることが分かった。大多数が乗り気でない以上、開催しても大会の盛り上がりは見込みにくく、想定した経済効果は目減りする。これからは一人でも多くの人を前向きに転じさせることにより、「いかに損失を減らすか」の闘いとなる。

 東京五輪・パラリンピックの開催が4カ月後に迫る中、新型コロナウイルスの感染が国内外で収まる気配がない。政府や大会組織委員会は感染防止策として観客数の削減や、海外からの観客受け入れ断念、無観客での開催といったシナリオを検討している。しかし、そうまでして開催すべきだという国民は少ないことが数字として表れている。

観客数の削減や無観客が検討されている(写真は東京・お台場)(写真=AFP/アフロ)

 日本経済新聞社がこのほど実施した世論調査では、「感染対策を徹底したうえで予定通り開催すべきだ」と回答した人の比率が15%にとどまった。感染拡大が続くなら「中止もやむを得ない」と46%が回答し、36%が「再延期もやむを得ない」と答えた。合わせて8割の人が、コロナ禍が収まらない中での開催に消極的であることが分かる。

 国民の理解が十分に得られない以上、このまま開催しても大会は盛り上がりに欠けてしまう。関西大学の宮本勝浩名誉教授は「大会に熱気がなければ、経済損失も大きくなる」と語る。

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