みずほフィナンシャルグループ(FG)とLINEでつくる新銀行の開業が2年延期された。「明らかに計画通りに進んでいない」。業界関係者からは現状と先行きへの懸念が目立つ。システムは万全か、協業のメリットは──。足踏み後の今後2年で、華やかな計画が色あせる可能性もある。

 「延期という形をとりながら、いずれは空中分解させる腹づもりではないか」

 ある国内フィンテックの関係者がこう話すのは、みずほフィナンシャルグループ(FG)と通話アプリLINEが2020年度中に開業予定だった新銀行「LINE Bank(仮称)」についてだ。構想から1年半ほど、これをさらに2年先送る当事者判断に、計画の狂いや思惑のズレを指摘する声が絶えない。

 空中分解説を巡ってみずほ側は「それはない」ときっぱり否定。延期理由は、これまで「若年層への接点強化」を掲げてきたが、コロナ禍でもっと幅広い層を取り込む必要があると考えたからであり、「そのためにはシステム開発に時間もお金もかける必要があると判断した」のだという。

<span class="fontBold">2018年秋、みずほFGとLINEは新銀行の開業を発表していたが……</span>(写真=共同通信)
2018年秋、みずほFGとLINEは新銀行の開業を発表していたが……(写真=共同通信)

 確かに今回のみずほの対応からは撤退色は感じ取りにくい。新銀行の準備会社に対し、みずほFGが約88億円、LINEが約32億円を追加出資。議決権比率を50%ずつに整えたほか、経営面も共同CEO(最高経営責任者)体制に移行し、みずほ側から共同CEOを送る予定だ。

 もちろん、この点について「最終的にたもとを分かち、新銀行事業をみずほ自身が全て引き継ぐための布石」という勘ぐりもないわけではないが、「念には念を入れ、万全の体制で新銀行のスタートを切りたい」というみずほ側の説明にも相応の理がある。

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