日本鉄鋼連盟は2月15日、2050年に業界の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロとする目標を発表した。大量のCO2を排出する“悪玉”扱いをされている中で、従来の目標を大幅に縮めた。肝となるのが石炭の代わりに水素を使った製鉄技術の実用化だが、ハードルは高い。

水素還元製鉄で石炭をすべて水素に代えると、CO2は排出されない

 鉄連は従来、2100年の実質ゼロを目指していた。2018年に打ち出した方針だが、政府が50年の実質ゼロを掲げたため、一気に前倒しした。鉄鋼業のCO2排出量は製造業の約4割を占めている。そんな鉄鋼業が半世紀も目標を縮めるというのだ。

 他の業界から「温暖化の原因との批判をかわすポーズではないか」(大手自動車)といぶかしむ声が出る中、「我々は至って本気」(JFEスチール)という。だが「現在の技術の延長線上では極めて難しい」(日本製鉄)のは明らかだ。

 鉄鋼大手は従来もCO2を減らす研究を続けてきた。日本製鉄やJFEスチール、神戸製鋼所などが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と08年度から研究してきた製鉄プロセス開発「コース50」がよく知られている。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り952文字 / 全文1418文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。