日本企業の2021年3月期決算は、コロナ禍の下で製造業を中心に業績の上方修正が相次いだ。外食やホテル、空運など土砂降り産業が苦しむ一方で、外需が復調した業種と「超二極化」が進む。世界の大型景気対策と巣ごもり消費がけん引したが、今後の持続性には懸念が残る。

フランスにあるトヨタ自動車の工場。コロナ禍の影響が大きかった欧州でも需要は回復(写真=AP/アフロ)

 「ここまできたか」──。2月5日、日本製鉄が発表した2021年3月期の業績予想に市場関係者の注目が集まった。事業活動の成果を示す事業損益が従来の600億円の赤字から300億円の黒字に転換すると発表したからだ。新型コロナウイルスの感染拡大による粗鋼需要の落ち込みなどで相次いで休止した6基の高炉のうち、3基を20年11月から今年1月に再稼働したのに加え、鋼材市況が回復したためだ。

 15日発表の20年10~12月期の実質GDP(国内総生産、速報値)は年率換算で12.7%増と2期連続のプラス成長となった。ただ10都道府県で緊急事態宣言が3月7日まで延長され、「個人消費は(宣言の)2カ月で計5兆8000億円押し下げられる。21年1~3月期の実質GDPは再びマイナスに落ち込む可能性がある」(野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏)。

 国内消費の伸び悩みで外食やホテル、さらに航空などの主要企業が大幅な赤字を計上する一方で、製造業などの業績が回復し二極化が大きく進んでいるのである。

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