新型コロナウイルス下で、小売業のリアル店舗が進化している。集客方法の工夫や新たな設備導入で「密」を生まずに買い物をする環境を整え、利用者にも受け入れられた。密回避はコロナがなくとも快適な売り場につながる。ウイルス対策を奇貨にリアル店舗が生まれ変わろうとしている。

イオンは22年2月までに100店でスマホ型レジを導入(上)。ケーズHDは密回避の運営で最高益(写真=下:アフロ)

 「コロナ禍で分かったことがある。リアル店舗はなくならない」。2月1日、ケーズホールディングス(HD)の平本忠社長は2020年4~12月期決算の電話会見でこう述べた。パソコンなどのテレワーク関連製品、エアコンや洗濯機など幅広い商品が売れた。売上高は6065億円で前年同期比11%増え、4~12月期として過去最高。営業利益は同74%増の455億円で通期の過去最高を既に超える水準だ。

 EC(電子商取引)の寄与は少なく、実店舗の売り上げが貢献した。コロナ下で郊外立地に追い風が吹いただけではない。集客のために配るチラシを抑制。例年、前日から並ぶ人もいる初売りでは、福袋や日替わりの目玉商品をやめた。「売り上げは一切追わず、ひたすら客と従業員の安全を追求した」(平本氏)ことが受け入れられた。

 目的が明確な客が集中的に来店しているもようで、買い物時間も短くなる。客から「混んでいなくてよかった」という声が上がり、1月11日までの初売り期間の売り上げは前年同期を上回った。

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