この記事は日経ビジネス電子版に『新型国産ロケット「H3」、コスト半減でスペースXと戦えるか』(2月2日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月8日号に掲載するものです。

日本の宇宙輸送を担う新型ロケット「H3」の開発が大詰めを迎えている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は1回の打ち上げコストを従来の半分の約50億円に減らすという。2021年度の打ち上げを目指す。米スペースXなど海外勢との厳しい競争を勝ち抜けるのだろうか。

報道陣に公開されたH3ロケットの初号機の機体。2021年度の打ち上げを目指す

 H3は衛星や探査機を宇宙へ輸送するロケットで、現在の主力である「H2A」の後継機として開発している。機体の主要部分について、製造や動作確認のめどがついたため今後、発射場がある鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げに向けた試験を始める。

 最終テストを目前に控えた1月23日、三菱重工の愛知県飛島村の工場で、燃料タンクやエンジンを載せた「コア機体」が公開された。設計段階から機体の構造をシンプルにし、輸送重量に合わせてメインエンジンやブースターの数を切り替えることで推力を変えられるようにした。

 部品は特殊なものを減らして自動車用の汎用品を用いたほか、製造に3Dプリンターも採用した。機体に打つ鋲(びょう)を手作業から機械装置に切り替えるなど製造工程も自動化を進めた。様々な面で作業効率を上げ、受注から打ち上げまでの期間を短くする。

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