この記事は日経ビジネス電子版にマネックス松本CEO「新生銀との提携、狙いは銀証連携にあらず」(1月29日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月8日号に掲載するものです。

マネックス証券と新生銀行グループが証券分野での業務提携を発表した。新生銀は、SBIグループが音頭を取る地方銀行連合の有力提携候補とささやかれてきた。それだけにマネックスが提唱する「提携のカタチ」は、SBIが描く青写真にも決して少なくない影響を与える。

 「何も感じない」。1月29日に開かれたSBIホールディングスの20年3月期第3四半期の決算説明会。北尾吉孝CEO(最高経営責任者)がこう答える場面があった。このほど発表された「マネックス証券と新生銀行グループの証券分野での包括的業務提携」について聞かれた時のことだ。

 「心中は決して穏やかではなかったはず。なぜならSBIは昨年、10%近く新生銀の株式を買い増し今や大株主ですから」。ある地銀関係者はこう話す。「地方創生パートナーズ」というSBIが旗振り役となって設立した会社にも、新生銀は出資済み。SBIが注力する、地域金融機関と資本提携して資産運用や店舗運営などで手を組む「地銀連合」のパートナーにいずれ加わるのではないか。こうした見方は、業界関係者の一致する読み筋だったと言える。

 上記決算説明会の場では、SBI証券の高村正人社長が新生銀行に対し業務提携を持ちかける機会があったことを認めている。それだけに、マネックスとの業務提携という現実を、SBIが自らが描いてきた青写真に「横やりが入った」と受け止めても何ら不思議はない。

 なぜ新生銀行は今回、マネックスを選んだのか。前出の地銀関係者は「SBIは傘下にネット銀行を持つ。新生銀は顧客基盤が流れるのを懸念したのではないか」と推測する。

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