米国の株式市場で、個人投資家の投機的な取引が加速している。株取引アプリやSNSの進化を背景に、ヘッジファンドが相次ぎ損失を被るほどの過熱ぶりだ。カネ余り市場での新たな“分断”の出現は、バイデン新政権の深き悩みの種となりそうだ。

 発端は投資情報を交換するSNSだった。「空売り勢を締め上げろ」──。1月下旬、米SNS「レディット」にこう書き込んだデイトレーダーの呼びかけに、多くの個人投資家が賛同した。具体的な行動としては、ヘッジファンドが信用売りを積み上げていた特定の銘柄に対し、集まった個人が集中的に買いを入れたのだ。

 結果、株価は一時的に引き上がり、信用売りを通じて株価下落に張っていた複数のヘッジファンドは銘柄の買い戻しを迫られ、大きな損失を被った。騒動の余波は大きく損失回避の動きに拡大。他の銘柄にも売り圧力が広がり株価指数にも影響を与えた。ダウ工業株30種平均は1月29日、前日比600ドルを超える下げ幅となっている。

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