この記事は日経ビジネス電子版に『AIトップ学会で日本勢躍進、「後進国」返上なるか』(1月19日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月25日号に掲載するものです。

「後進国」ともいわれた日本のAI(人工知能)研究が大きく変わりつつある。同分野の有力な国際学会「NeurIPS」では最高位に日本勢の論文が相次いで選ばれた。量でも米中に追いつくためには海外研究機関との連携などの施策が欠かせない。

NeurIPS 2020で論文を発表する小津野将氏の研究チーム(写真=NeurIPS 2020提供)

 2020年12月にオンラインで開催されたAI分野の国際学会である「NeurIPS」には、9467件の論文の応募があり、20%の1898件が採択された。このうち「オーラル」と呼ばれる優れた論文に選ばれたのは約1%の106件。うち日本勢の論文6件が採用された。19年は0件だったので大躍進と言える。

 今回の躍進の理由は3つある。まず日本が国を挙げて16年から推進してきた理化学研究所のプロジェクトが成果を出し始めた点だ。理研の革新知能統合研究センター(AIPセンター)の論文が、日本勢の17件の発表のうち半数を占めた。AIPセンターの責任者であり機械学習の世界的な研究者でもある杉山将センター長は「センターの体制が確立し、各分野の研究者同士の交流、海外の研究者との共同研究によって新たな知見が生み出されるようになってきた。質では世界の最高水準に追いついた」と話す。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り774文字 / 全文1365文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。