1月6日に首都ワシントンで起きた暴動がドナルド・トランプ氏を弾劾の危機におとしめている。一見すると、米経済にもマイナスな影響をもたらしそうな一大時だが、逆にプラスに作用する可能性が見えてきた。なぜ暴動が米国の景気を良くするのか。その結果、日本の経済に与える影響は?

<span class="fontBold">トランプ支持者が上院の議場前で警察に牙をむく</span>(写真=上:AP/アフロ)
トランプ支持者が上院の議場前で警察に牙をむく(写真=上:AP/アフロ)

 1月6日に首都ワシントンで起きたドナルド・トランプ氏支持者による連邦議会議事堂占拠の事件は、米国の世論を大きく「反トランプ」になびかせた。米国時間10日までに、トランプ氏弾劾に向けた動きが民主党内で活発化。共和党議員の中にも「辞めてもらいたい」「弾劾される可能性がある」と反旗を翻す声も出始めている。

 反トランプ派への追い風は今後の米国の議会や経済、日米関係にどのような影響を及ぼすのか。米国野村証券の雨宮愛知シニアエコノミストは「さまざまな要素を複合的に考えると、米経済にプラスなのではないか」と予想する。

 民主党は5日のジョージア州上院議員の決選投票で2議席を勝ち取り、支配権を奪取した。大統領に加えて上下両院を民主党が支配する「トリプルブルー」が実現したが、これだけでは不十分。上院では過半数で法案を通過させる手段もあるが、1年に1回しか使えないなど制約が多い。通常は60議席が必要になるため、法案を通過させるには共和党議員の取り込みが不可欠だ。

 ここで暴動が引き起こした「風向きの変化」が効いてくる。ジョン・ボルトン前大統領補佐官は、「2022年の中間選挙も見据え、共和党議員の間でまずは国を一つにまとめようとする動きが広がるだろう」と話す。法案によっては民主党に協力する議員も増えそうだ。

次ページ 共和党が握る「カギ」