この記事は日経ビジネス電子版に『フェイスブックの轍踏まず ソニー・任天堂・MSが手を組む理由』(2020年12月18日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月28日・1月4日号に掲載するものです。

ゲーム機で激しく争ってきた3社が、ゲームの安全性やユーザー保護で協力していくことを明らかにした。オンラインゲームではユーザー間の交流が当たり前になり、ヘイト表現やハラスメントも起きかねない。広告やイベントの場ともなるなど、ゲームでもプラットフォーマーの責任が重くなってきたことの表れでもある。

<span class="fontBold">ゲームはライブイベントの場としても活用され始めた</span>(写真=上:Frazer Harrison/Getty Images)
ゲームはライブイベントの場としても活用され始めた(写真=上:Frazer Harrison/Getty Images)

 米マイクロソフト(MS)と任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は12月14日、ゲームの安全性向上で協力していくことを明らかにした。

 現在のゲームはインターネットで対戦したり、協力してゲームを進めたりするなど、ユーザー同士の交流を伴うものが増えている。「フォートナイト」シリーズや「あつまれ どうぶつの森」といった人気ゲームをプレーしながら雑談する。そんな生活様式はコロナ禍でさらに強まり、ゲームが新たなSNSとして台頭しつつある。

 さらに最近では企業の広告や営業活動、各種イベントを行う場としても多用され始めた。フォートナイト内で開催された有名ミュージシャンのライブイベントは、9分間で20億円以上を稼いだと報じられている。米大統領選でもジョー・バイデン氏が「あつ森」を活用して話題となった。

 ゲームのSNS化が進む中で、3社の狙いは「フェイスブックの轍(てつ)」を踏まないことにあるとも言えそうだ。フェイスブックは人種差別を助長するコメントやヘイト表現などの拡散防止に適切な処置を実施していないとして、大手企業を中心に400社ほどが広告出稿をボイコットした。ブランドは毀損され、経営もダメージを受けた。

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