商品の説明などをライブ配信しながら、ネットを通じて販売も同時に行うライブコマースが広がっている。活況の中国を見据え、日本から生配信して現地で市場を開拓しようとする動きも出始めた。コロナ下で広がる現代版の実演販売が売り方を変える。EC(電子商取引)とは次元が異なる破壊力を秘めている。

<span class="fontBold">シーボンは日本から中国に向けて生配信した</span>
シーボンは日本から中国に向けて生配信した

 「40~42度のお湯だとしっかり泡立ちます」。化粧品などの製造・販売を手掛けるシーボンは10月、中国市場向けにライブコマースを2回にわたって日本から配信し、計13万人が視聴した。

 初回はシーボン海外事業部の河西雅之氏が保湿乳液など4つの商品の特徴や使い方を通訳を通じて説明。2回目はKOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれる中国人インフルエンサーがシーボンのサロンから中継し商品を体験しながらレビューをした。

 シーボンは2017年に中国市場に本格参入したが、代理店によるサロンの展開が好調な一方、ECモールや化粧品店での販売は伸び悩んだ。サロンで体験してもらうニーズはあるのに、商品を並べるECや店舗では品質が伝わらない。ライブコマースなら疑似体験をしてもらえる。河西氏は「今後は工場からの中継も考えたい」と期待を寄せる。

 生中継動画で商品を売るライブコマース。多数の視聴者に配信するものと対面販売の代替となる1対1のリモート商談がある。中国では多数向けが通販の主流になりつつあり、アリババ集団などが大規模な販売会を開いている。

 シーボンの配信を支援したアライドアーキテクツは自社設立の在日中国人コミュニティーを使ってマーケティングをしている。20~30代の女性が中心で会員数は約2800人。事前にサンプルを配ったり、企業の担当者を招いた座談会を開いたりして、商品やサービスの感想をSNSに投稿してもらう。「中国語で書かれた口コミが存在しているとライブコマースを視聴した中国人も安心して購入できる」という。

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