この記事は日経ビジネス電子版に『「脱炭素」に懸ける三菱重工、市場は早くも競争激化』(12月22日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月28日号・1月4日号に掲載するものです。

化石燃料関連の事業が逆風のプラント各社が「脱炭素」の事業強化に乗り出した。欧州や日本が表明した2050年の「カーボンニュートラル」の波に乗る狙いだ。そこには欧米の大手も待ち受ける。早くも競争激化の兆しが見えてきた。

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三菱重工はCO2回収装置の拡販に力を入れる。写真は米テキサス州のCO2回収プラント

 「脱炭素事業推進室」。三菱重工業子会社の三菱重工エンジニアリングが12月1日付で新組織を立ち上げた。各部署から人材を集めたこの組織が力を入れるのが、二酸化炭素(CO2)の回収装置。素材産業や火力発電所などの大規模プラントに納入した実績があり、世界13カ所で稼働中だ。三菱重工でエナジー分野を担当する細見健太郎常務執行役員は「米国で世界最大のCO2回収プラントを建設するなど、排ガスからのCO2回収では世界トップシェアだ」と胸を張る。

 温暖化ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向けた動きが世界的に加速する中、より小型で設置しやすい装置の開発を急ぐ。バイオマス発電所や製鉄所、ゴミ焼却場などでの需要拡大に備える。回収したCO2を化学品に転換して再利用する技術の実用化や、アンモニアや水素などクリーン燃料の製造技術の開発にも取り組む。

 成長を期待していた航空機や石炭火力が逆風を受け、構造転換を図らなければならない三菱重工。各種の脱炭素技術の開発にめどがつく2030年度までにCO2回収・利用と水素関連で売上高3000億円の事業を創出する目標を掲げる。事業を凍結するジェット旅客機「三菱スペースジェット」への資金配分を減らし、21年度からの3年間で脱炭素関連に900億円を投じる計画だ。

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