米連邦取引委員会(FTC)が米フェイスブックを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴した。画像共有アプリの「インスタグラム」など2社の買収が、自社の競争力維持のための「競合潰し」だったというのが理由だ。FTCは2社の売却を求めている。フェイスブックは反論しており、長引けば10年越しの争いになるとの指摘もある。

<span class="fontBold">マーク・ザッカーバーグCEOは7月の米議会公聴会でも、インスタグラムの買収が反競争的などと批判を受けていた</span>(写真=Bloomberg/Getty Images)
マーク・ザッカーバーグCEOは7月の米議会公聴会でも、インスタグラムの買収が反競争的などと批判を受けていた(写真=Bloomberg/Getty Images)

 FTCはフェイスブックが2012年に買収したインスタと、14年に傘下に収めた対話アプリ「ワッツアップ」の事業売却を命じるよう、首都ワシントンの連邦地裁に求めた。もともとはどちらもFTCによって承認された案件で、それぞれ当時のレートで買収に約800億円、約2兆円を投じていた。

 今回の提訴は、過去の買収承認を否定する異例の判断だ。背景には、膨大な利用者データを扱うことへの警戒感が高まっている事情がある。

 フェイスブック、インスタ、ワッツアップ、「メッセンジャー」の20年7~9月期の月間アクティブ利用者数は前年同期に比べて14%増の32億1000万人に上る。インスタを含む世界のSNS(交流サイト)シェアは高く、11月末時点で71%ある。FTCは、消費者にとって選択肢が減っており、プライバシー保護が低下したとみている。

時価総額は8年で12倍に
●フェイスブックの時価総額推移
<span class="fontSizeM">時価総額は8年で12倍に<br /><small>●フェイスブックの時価総額推移</small></span>
注:QUICK・FactSetから作成。月次ベース
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M&A戦略が成り立たない

 「さらに成長すると破壊的な影響を及ぼす」。FTCは、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)がメールで、買収前のインスタなどのことをこう表現したと説明している。競争を阻害した証拠と位置付けたいようだ。

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