この記事は日経ビジネス電子版に「進化したトヨタ新型ミライ でも章男社長の『花とミツバチ』は遠く」(12月10日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月21日号に掲載するものです。
2050年温暖化ガス排出量実質ゼロを目指し、水素活用の動きが活発化し始めた。トヨタが新型燃料電池車(FCV)を発売。水素普及を目指す企業連合も発足した。三すくみを続けてきた水素利用を前進させられるか、菅政権の実行力が試される。

トヨタ自動車は12月9日、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の新型を発売した。初代ミライは世界初の量産型FCVとして2014年に発売し、世界で1万1000台販売した。
新型ミライでは水素タンクの拡張や燃費向上により航続距離を約3割伸ばし、1回の充塡で850km走行できる。主要部材のコスト低減や生産時間短縮により価格は初代より約30万円(ナビなどを含む比較では70万円程度)下げた税込み710万円で、合計約140万円の優遇税制や補助金を利用できる。
「『真の量産車』になった」。FC製品開発部の高橋剛グループ長はそう語る。手作業が多く専用ラインで生産していた初代に対し、新型は「クラウン」のラインで生産できるようになった。年間3000台だった燃料電池の生産能力も10倍に引き上げた。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り2278文字 / 全文2855文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?