この記事は日経ビジネス電子版に『[議論]人材投資はなぜ遅れた? 「スーパー人事部長」の限界』(11月17日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月14日号に掲載するものです。

急速なデジタル化などに対応した人材の必要性が高まる中、経済産業省が「人材版伊藤レポート」を公表した。ROE(自己資本利益率)を8%まで高めることを訴え、経済界に影響を与えた通称「伊藤レポート」の人材版だ。座長を務めた一橋大学の伊藤邦雄氏の危機感は、企業価値を高める人材投資の遅れにある。真意を聞いた。

<span class="fontBold">一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤氏は、経営戦略と人事戦略が一致することの必要性を訴える</span>(写真=的野 弘路)
一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤氏は、経営戦略と人事戦略が一致することの必要性を訴える(写真=的野 弘路)

 経済産業省が今年9月に公表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」には、「人材版伊藤レポート」という通称があらかじめ記されている。座長を務めた一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏にちなんだものだ。2014年に公表し、後に「伊藤レポート」と呼ばれるようになった報告書「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」と同様の影響力を持たせたいという期待がにじむ。

 日本企業の企業価値を引き上げることの重要性を訴えた元祖、伊藤レポートは、その手段として「ROE(自己資本利益率)8%」という目標を提示した。同レポートは海外投資家を日本に呼び込むきっかけの1つとなり、コーポレートガバナンス(企業統治)改革を後押しした。伊藤氏は今回、なぜ人材に着目したのか。日経ビジネス電子版の議論の場「Raise(レイズ)」で、エール(東京・品川)の篠田真貴子取締役と人材戦略について議論した。

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