代表的な暗号資産(仮想通貨)、ビットコインの価格上昇の勢いが止まらない。2020年12月には一時、ドル建てで最高値を更新、17年の“バブル期”の水準を上回った。昨今のカネ余りが価格を押し上げた形だが、「一強」の裏側には手放しでは喜べぬ現実も潜む。

 「盛り上がったその年の年末年始は大きく下がる印象がある。下がったらぜひ購入したい」

 ビットコインの現状についてこう話すのは、2017年に1億円以上の含み益を抱え、いわゆる「億り人」に仲間入りした30代男性だ。その後の“バブル崩壊”でいったん興味を失っていたが、またビットコインへの再投資を検討し始めたという。

コロナ禍の春先から上昇傾向が続く
●ビットコイン価格(円建て)の推移
<span class="textColTeal fontSizeM">コロナ禍の春先から上昇傾向が続く<br /><small>●ビットコイン価格(円建て)の推移</small></span>
出所:bitFlyer

 ビットコイン価格は20年12月1日、一時1万9800ドル台に到達、3年ぶりに過去最高値を更新した(17年12月は1万9700ドル台)。上昇気流の支え手は、価格上昇の継続を見込んだ鼻息荒い個人投資家だけではない。

 米資産運用会社のグレイスケールは20年11月、76億ドル分(約8000億円)の暗号資産を保有していると表明した。さらに、1カ月後の12月には120億ドル分(約1兆2600億円)取得していると明らかにした。今秋以降、個人だけでなく、大量のビットコインをのみ込んで買い支える大型投資家、クジラの存在も目立ってきている。

 「無国籍通貨」「第2の金」「デジタルゴールド」……。ビットコインを筆頭に、仮想通貨に対して付けられている数々の呼び名は、コロナ禍での不安定な世界経済と読みにくい市場の姿そのものを映し出している。

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