新型コロナウイルスに伴うアパレル不況は、多くの企業を終わりが見えない泥沼に引きずり込んでいる。とりわけ苦しいのがスーツ事業。しぼんだ需要は戻らないという見方に業界は傾き始めた。紳士服大手は、かねて取り組むアパレル以外の別業態を、主力事業へと位置付け始めている。

緊急事態宣言の解除から半年。ファーストリテイリングやしまむらが落ち着きを取り戻す中、紳士服大手は苦しい戦いを強いられている。AOKIホールディングスは2021年3月期の連結売上高が前期比16%減る見通し。青山商事も21%減を見込み、約400人の希望退職を募集している。
新型コロナによる在宅ワークの浸透や対面回避により、仕事着のカジュアル化が加速している。流通ファッションコンサルタント、小島ファッションマーケティング(東京・渋谷)の小島健輔代表は「この流れはもう変わらない」と話す。「既製品のスーツを着る必要がなくなる。AOKIや青山商事はストレッチなどが効いた機能性スーツかパターンオーダーに注力する以外ない」
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